犬でも分かるUjam Virtual Guitarist(3): Instrument Modeの音の出し方

UJAM

前回は、Ujam Virtual GuitaristのPlayer Modeでの音の出し方、その考え方を紹介しました。実は、Virtual Guitaristには更に高度な音の出し方 Instrument Mode があります。今回は、Instrument Modeにおける音の出し方を紹介します。

Instrument Modeとはどういうモード?

高度な音の出し方とは具体的にどういうものなのかってことですが、Player Modeが予めプリセットされたフレーズを使うのに対して、Instrument Modeはユーザが自分で、弦の弾き方を定義していきます。

Player Mode
・プリセットのフレーズを選択
・フレーズは定義された弾き方を繰り返す(ループの長さは1小節のように思われる)
・フレーズにはコモンフレーズ(単純なフレーズ, 23パターン)とスタイルフレーズ(複雑なフレーズ, 330パターン)がある

Instrument Mode
・弦の弾き方を選択
・弦の弾き方には、ダウンストロークやアップストロークのストラミング, 1弦ずつのピッキング 等、16種類ある
・上記の弾き方に対して、アーティキュレーション(オープン弦, ミュート, 半ミュート 等)を組み合わせることができる

Player ModeではフレーズをC0~B2の鍵盤で選択(切り換え)していました。Instrument ModeでもD1~B2の鍵盤で弦の弾き方を選択できますが、鍵盤へのマッピングや範囲は、Player Modeとは異なります。
一方で、C3~F5に割り当てられたコードのマッピングは両モードで同じです。

Instrument Modeにおけるキー割り当て(弾き方の指定)

Instrument ModeにおけるD1~B2の鍵盤は以下のように割り当てられています。
最初に、弦の弾き方を指定して音を出すキーを以下にまとめます。

押下するキー名前説明
D1Slide Upスライドアップ(トゥーン↑)
E1Slide Downスライドダウン(トゥーン↓)
F1Slide – Up&Downスライドアップ&ダウン(トゥーン↑トゥーン↓)
G1Pick Slideピッキングスライド(キュイーン)
A1Upstrokeアップストローク(一般的なストラムでのじゃーんというコードの弾き方,下から上に弾く)
G1Downstrokeダウンストローク(一般的なストラムでのじゃーんというコードの弾き方,上から下に弾く)
B2Strum – Autoストラムオート(アップストロークとダウンストロークを自動的に選択してくれる)
G#1Stop(Upstroke)アップストロークを抑える弾き方(じゃっ)
A#1Stop(Downstroke)ダウンストロークを抑える弾き方(じゃっ)
C2Picking 6弦のピッキング
D2Picking 5弦のピッキング
E2Picking 4弦のピッキング
F2Picking 3弦のピッキング
G2Picking 2弦のピッキング
A2Picking 1弦のピッキング
C#2Releaseリリース(既に鳴っている音を止める)

この中で、Upstroke, Downstroke, Strum Autoはストラミング(strumming)と呼ばれる全ての弦を使って弾く奏法です。ピッキングは1弦ずつ弾く奏法です。
C2~A2はマニュアルでもピッキング(Picking)としてしか書いておらずどの弦と対応しているのかはいまいち不明。。C2からA2にかけて音が高くなっていくみたいなので、弦との対応は上記の通りなんだと思います(想像..)。

Instrument Modeにおけるキー割り当て(Ariticulationのスイッチ)

次にAriticulation(アーティキュレーション)のスイッチのキーを以下にまとめます。

押下するキー名前説明
D#2Ariticulation – Dead Notesデッドノード(じゃっ)
F#2Ariticulation – Mutedミュート(ずっ)
G#2Ariticulation – Half Muted半ミュート(つん)
A#2Ariticulation – Openオープン(じゃーん)
F#1Disable Ariticulation Strummingアーティキュレーションのストラミングを無効にする(※)

4つのAriticulationは、ストラムやピッキングで演奏するときに、オープン(開放)で音を出すのか、ミュート(抑えながら)で音を出すのか、弦の鳴らし方を切り換えるスイッチです。次にAriticulationを切り換えるまで設定は有効となります。

ところでひとつ、謎のキー F#1(Disable Ariticulation Strumming)があります。
実は、Ariticulationのキーを押下するとストラミング(全ての弦を使って鳴らす)で音が鳴ってしまうのですよ。だから、Ariticulationのキーは、ストラミングのキー(例えば、A#1,G1,A1)の代わりにも使います。でも、Ariticulationをスイッチしたいときにストラミングで音が鳴っては困るときがあります。例えば、ピッキングで音を鳴らしたいときです。そのとき、F#1のDisable Articulation Strummingを同時に指定すると良いでしょう。
(ちなみに、UjamはF#1をAriticulationスイッチに分類していませんが、オイラはこちらに分類しました)

Instrument Modeにおけるキー割り当て(Trigger Modeのスイッチ)

次にTrigger Mode(トリガーモード)のスイッチのキーを以下にまとめます。

押下するキー名前説明
C#1Trigger Mode OffトリガーモードOff
D#1Trigger Mode OnトリガーモードOn

Trigger ModeをOnにすると、C3~F5のキーでリズムフレーズもコントロールできます。長く押下すればリリースは長く、短く押下すればリリースは短くなります。要するに、キーを押下しているときだけ音が鳴ります(じゃーんとかじゃっとかの発音の長さをコントロールできる)。尚、Articulationの選択が無効になるわけではないので、Articulationの指定でリリースの長さは当然変わります。D1~B2のキーは弾き方のスイッチなので、Trigger Mode Onのときは、基本的にD1~B2キーをホールド(押下したままに)しないようにします。なぜなら、ホールドしたままだと、C3~F5のキーでリリース長さをコントロールできません。逆にD1~B2キーをホールドすると、リリースは長く持続されます。これも演奏表現のひとつかなとは思います。

Trigger ModeD1~B2キーの使い方C3~F5キーの使い方と音の鳴り方
Onスイッチとして使うC3~F5キーでリリース時間をコントロールする
OnホールドするC3~F5キーではリリース時間はコントロールできない(D1~B2キーをホールドしている間、リリースが持続する)

Trigger ModeをOffにすると、C3~F5のキーはホールドしている間、指定されたコードを発音するスイッチとして機能します。更に言えば、C3~F5のキーだけで発音することはできず、D1~B2のキーの指定した弾き方によって発音します。発音の長さを決める要素は、C3~F5のキーのリリース長(ホールドしている時間)、またはC#2(リリース)を押下するまでの時間で決まります。C#2キーは、明示的に無音部分を挿入してそれまでに鳴っていた音を止めます。
Ujamの考え方としては、Trigger Mode Offの場合の発音の長さは、鳴っている音のリリース長で指定するのではなく、無音部分を挿入してコントロールするという考え方のようです(Player ModeのフレーズをDTMソフトにDrag&Dropしたときのデータを見て、そう思いました)。

さて、分かりにくい点が2つあります。
・ひとつ目は、Trigger ModeがOnのときに、C3~F5のキーでリリース長をコントロールできることは分かりましたが、D1~B2のキーでリリース長をコントロールすることはできないという点です。本来であればB2以下のキーがギターの右手部分に相当するのだから、リリース長をコントロールするのはB2以下のキーであるべきじゃね? と思ってしまうのです。
・ふたつ目は、Trigger ModeがOffのときのリリース長のコントロール方法です。方法は2つあって、Trigger Mode Offのときも、C3~F5のキーでリリース長をコントロールできるので、(結局はTrigger Mode Onと同じように)C3~F5キーのリリース長でコントロールする方法がひとつ(但し、B2以下のリズムフレーズと同じ量の入力をすることになるので面倒)。もうひとつは、C#2で無音部分を明示的に挿入してリリース長をコントロールする方法です。ストラムで演奏するときは、Trigger Mode Offは面倒くさそうですね。ピッキングでアルペジオを演奏するときは、Trigger Mode Offのほうが入力が圧倒的に楽なんですが。

Instrument Modeではノートの指定ができない

Instrument Modeで注意すべき点は、Instrument Modeでは「Chord Mode(コードとノートの切り換え)」のスイッチがなく、以下の図の通り、「Trigger Modeの切り換え」のスイッチになっているということです。従って、C3以上のキーでノート単位での音階指定ができません

よくよく考えてみると、C2~A2で1弦ずつの発音をできるのだから、C3以上ではあくまでコードを指定して、発音する音階の組み合わせはC2~A2の6つのキーで選択せよ、という思想なのだと思いました。ギターの考えに基づくのなら、その思想のほうが自然なのでしょうね。。
ただ、キーボード屋のオイラとしては、以下のように思っちゃいました、ごめんなさい。

・Instrument Modeでも、コードとノートの切り換えスイッチは、Player Modeと同じ位置でGUIに残して欲しかった(ノートで指定した音階とピッキングの組み合わせで音が鳴らない場合があっても構わないので..)。GUIでなくても、キースイッチとして実装してくれてもOK。
・Trigger Modeのスイッチは、C#1,D#1のキーに割り当てられているのだからGUI上では不要では? (その代わりにコードとノートの切り換えをGUIに残しても良かったのでは..)

ところで、Chord Modeにおけるコードとノートの細かな違いに気づいているでしょうか。。
実は、両モードでC3~F5のキーが全て指定可能になっているわけではなく、コードとノートで指定可能な範囲が以下の図のように異なります。まあ、コードは基音(1度)と3度、5度のように組み合わせて和音を構成しないとならないので当たり前なんですが。。

このことに起因して、Instrument Modeでノートが利用できないことで困ったことが1つありました。
実は、G5の音階を含むコードを使いたい楽曲があったのですが、コードのモードではG5のコードを指定することができないのです。ノートのモードでは、G5の音階を指定できるので、自分で和音を構成してG5を含む和音を出すことができましたが、Instrument Modeでは、そもそもノートのモードがないのでG5が発音できません。F5 major→E5 minor→G5 majorとコード展開したいときに、コードのモードだと、F5 major→E5 minor→G4 majorとなって、Gmajorでがっくり音階が下がっちゃうのですよ。ちょっとそれはがっかりしてしまいます。
この対策は結論から言うと、Player Modeを使って解決しました。Player Modeでは、プリセットフレーズが1小節ループするところを、4分音符とか16分音符単位でフレーズ切って使うという荒技(裏技)を使いました(名付けて「Player Modeによる疑似Instrument Mode!!」)。これも別の機会に紹介と思っています。

Player ModeとInstrument Modeにおける演奏パターン

Player ModeとInstrument Modeのそれぞれの音の出し方を考慮した上で、演奏パターンの組み合わせを整理してみると、以下の図の通りとなります。

但し、Player Modeのフレーズはループの長さは少なくとも1小節あるのに対し、Instrument Modeの弦の弾き方は1回における発音なので、1小節(時間軸)で考えると無限大に近い組み合わせになります。

所感

前回の記事で「Player Modeでプリセットされているフレーズは、気に入ったフレーズが見つかれば強力。一方で、自分で作曲したアレンジのイメージがあるならば、それに近づけていくにはちょっとした工夫が必要になる。」と書きましたが、Instrument Modeはこの不満を解決してくれます。だって、自分で作曲したアレンジに従って、MIDIで弾き方(キー)と発音タイミング,リリース長さを打ち込んでいけば良いのですから。。
一方で、Instrument Modeの制限事項も理解することができました。前述の通り、Instrument Modeでもノートのモードがあるとうれしいなと思いました。または、コードのモードでもノートのモードでも、もっと音域を広げてくれれば良いんですけどね。コードのモードの音域が狭すぎます。
(そんな不満のある方は、「第6回目の記事をご参照ください」)

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オイラはUR22C+Cubase Artist 13+Synthesizer V Studio Pro スターターパックで音楽作成しています。





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犬でも分かるUjam Virtual Guitarist(4): Player ModeをMIDIで鳴らす
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